コラム1:金利を動かす必要性

こんにちは。

けいです。

今日はなぜ金利を動かさないといけないかを『教科書的回答』ではなく『個人的所感』として話してみたいと思います。

なぜ金利を動かす必要があるのか

日本ではバブルが崩壊して経済が崩れてからはほぼゼロ金利もしくはマイナス金利が守られ続けてきました。

8時間目にて金利が動く要因を説明しましたが、これを簡単な言葉に表すと『景気』に尽きるでしょう。

金利が高いということは借りたお金の返済額が上がり企業や家計の負担が大きくなるということです。

企業はお金を借りながら経営を行いますし、家計も例えば持ち家の場合は住宅ローンを組んで家を買っているケースがほとんどだと思います。

また景気が悪いからこそ教育ローンなどでお金を借りたいのに、金利が高ければより多くのお金を返さないといけなくなるので厳しくなってしまいますね。

そのため然るべきタイミングでは経済を守るために金利を引き下げる必要があるのです。

直近だとコロナ禍がわかりやすい時期かと思います。

経済が大きな打撃を受けたので金利を引き下げることが企業や家計を守る術になったということですね。

そして景気が悪いときに金利を下げる必要があるということは、逆に景気が良いときには金利を上げていく必要があるということだと思っています。

元がゼロであれば、それ以上に下げることはできないですから。(直近までゼロを下回るマイナス金利も施工されていましたが…)

日本の政策金利の動向

ここで日銀(日本銀行)の動きを見ていきましょう。

日本ではゼロ金利政策が打ち出されたのが1999年になります。

金利0%台を推移する時代が続いて2016年にマイナス金利が導入、2024年にマイナス金利が解除され政策金利が引き上げられました。

政策金利の引き上げは実に17年ぶりです。

17年間も上がらなかった金利を引き上げられると言われたら実際にお金を借りている人=金利を払っている人はどのように感じるでしょう。

それが例え小さな変化であったとしても、やはり動揺は大きかったように感じます。

この問題についてはお客さまからの問い合わせも非常に多くいただいています。

その後も段階的に政策金利が引き上げられていますが、それでも2025年2月時点で0.5%でしかないのです。

これは他の先進国と比べても非常に低い水準です。

先述のように然るべきタイミングでは金利を引き下げて経済を守る必要があるため、日本も金利を上げられる時には上げておく必要があると僕は思っています。

海外の政策金利の動向

先ほど日本の政策金利が他の先進国に比べると非常に低い水準であると述べましたが、実際に海外ではどのような動きをしているのでしょうか。

日本、アメリカ、ヨーロッパと3地域で比較したものが以下のグラフとなります。

政策金利は日本のみが著しく低いことがわかりますね。

約20年もの間、金利が0%台で推移し続けているのは日本だけです。

アメリカやヨーロッパでも0%の時期は存在していますが、情勢にあわせて適宜変動させている点が日本とは異なりますね。

わかりやすいのが2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックにおけるタイミングです。

先述のように景気が悪くなれば金利を下げて経済を守り、景気の回復と共に金利も上げていく必要があることはアメリカやヨーロッパの金利変動を見れば如実に表れているかと思います。

しかし日本は利上げに踏み切れず、低金利が続いていました。

世界を見渡すと、先進国でここまで金利が低くあり続けているのは日本のみなのです。

今後の展望

このように現在、日本も金利がやっと上がってきたかというタイミングではありますが、上昇の傾向にあったとしても海外の水準に追い付くにはとても時間がかかると僕は考えています。

各国のように適宜金利コントロールが行われていた国であれば別ですが、これまで約15年にも及ぶ期間を低金利で過ごしてきた国がいきなり諸外国のような水準まで金利を引き上げたらどのようになるでしょうか。

企業も家計も耐えられないでしょう。

むしろそのハレーションを恐れてこれまで利上げを行えなかった節もあるのではないかと思います。

しかし低金利であり続けるわけにもいかないので、どこかで上げていく必要がある。

それがちょうど今なのでしょう。

なので金利は今後も上がっていくと思いますが、急激に上がることもないのではないかと思っているのです。

確かに金利が上がってはいますが、それでもまだ0.5%程度です。

うろたえるほどの数字ではないと思います。

また金利も無条件で上がるわけではないため、その背景を活かすことができれば金利上昇対策もしっかりと取れるので恐れることはありません。

本日の内容はあくまでも個人的な見解ですが参考にしてみてください。

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